ショート
□戯言ヒロインはスレツナと仲が悪い模様です。
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転校させてみたよ!
『(…えーと、なんて言えばいいのかな。)』
ちょっと困ったような表情(演技)で黙っていると、担任が助け舟をだしてくれた。
ありがと、せんせ。
「じゃあ、とりあえず自己紹介を。」
『…あ、はい。
えっと、零崎雪織…です。(…これで終わっていいのかなあ?)』
名前以降を続けようとしない私に、苦笑まじりの担任が再び助け舟を出す。
「と、特技とか、趣味は?」
『あ、はい。
特技は工学技術系全般、趣味は解体、収集、株、作曲、漫画とか…は、好きな物ですね。あとは、料理とか拷問、監禁、殺戮です。』
シン……と静まり返った教室。しまった、はずしたか…。
しかたない、転校早々浮く気は無いんだ。
『…なーんてっ!冗談ですっ!
転校とか初めてなのでっ、是非是非お話しかけくださいっ!質問ばっちこいでっす!
よろしくお願いしまーすっ!!』
雰囲気を変えてにこやかな笑顔と共にそう言えば、ほら。生徒が騒ぎ出す。
そのまま指定された席に着き、一息置いて顔を上げれば、周りには生徒の群れ、群れ、群れ。(気持ち悪い…なんて、口に出しちゃいけないよね?)
「何処からきたのー?」
『アメリカに留学してたんだけどねー、英語わからなさ過ぎて単位落としちゃったの。
だから日本の学校に入ったんだー。』
「雪織ちゃんって呼んでいい?」
『うん、好きに呼んでいいよっ。』
「さっきの冗談、びっくりしたよー!」
『ごめんねー、転校とか初めてで緊張してて…結構いっぱいいっぱいだったから、実は何言ってたかあんまり覚えてなかったり。』
あたりさわり無く、好感の持てる返事をしていく。
こういうのは得意だよ、最愛を舐めちゃいけない。こいつら程度、計算で落とせるんだよ?
「雪ちゃん、すっごく可愛いよねー!」
『え、え…?
あっ、う、うん、ありがとう…。』
秘儀!
ほっぺちょっと赤くしてうつむく+どもってみせる攻撃!
…これ、効果絶大だよ。
なにより私がやられて憤死するかと思ったコンボだもん、もちろん美少女に。
残念ながら、この様なか弱き美少女が私の身の回りに少ないのが最大の問題点だが、それでもいるのだ。こんなか弱き美少女。名前はあえて伏せておくけど。
……はい皆静まり返らないー。雪織ちゃんどうしていいのかわかんなくなっちゃうから。
『あ、あの……?』
「(はっ)あ、ご、ごめん!どうしたの?」
『授業とか…全然わかんないんだけど、どうしようかな?ってご相談。』
えへ、と冗談まじりに言うと、隣の席の子に声をかけてくれたようで「この子に見せてもらえば大丈夫だよ!」と言って去っていった。
あ、もう授業が始まるのか。
さて、隣の子…。
…………。
う、うーん…、コメントしづらい髪型してるなぁ。無重力状態…?(あ、シェリ●さん…?)
とりあえず声掛けてみよう。
よろしく、ね?お隣さん。
―――――
やっちゃったー…orz
たー
たー
たー……(エコー
途中のねたわかる人は居るのかな。